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第25回 20年2月 [中巻]

「第25回 20年2月」 掲載’08年3月4日号 (発売日 同年2月19日ころ)

討ち入り?

 すずの特殊体質が明らかになる今回。 闇市に買い出しに行くついでに二葉館に茶碗を届けに行くすず。 だが、討ち入りと間違われ相手にされない。 ここでいう討ち入りとは、夫や恋人を寝取られたと思った女が直接遊郭に乗り込んで、”うちの旦那にちょっかい出すのはやめて!”と直談判?というか殴り込みに来ることだ。 そりゃ間違われるわなぁ、竹槍持ってるし。 この漫画では、竹槍が本来の役割で使われていない気がする。

いとも簡単に心中に付き合うテル

 そんなすずを呼び止めたのが、赤毛の女(テル)。 さして親しくもない水兵との心中に付き合ってしまい、風邪をひいて闘病中だ。 まず、水兵が身を投げるという異常さ。 やはりレイテ沖海戦の生き残りなのだろうか? 一方のテルも何故簡単に身投げに付き合うのか? 当時の境川があまり大きな河川ではなく、溺死の危険性が低かったとはいえ、”気の毒”なだけで体をくくられて飛び込むか? 一方で、”夜までに風邪直さなきゃね”と、夜には営業に戻るつもりでいる。 この子の”生”への執着がよくわからない。  

そして第4の方法

 ”暖(ぬく)い外地へ渡る”というテルのセリフ。 これは、台湾の遊郭に渡るか、あるいは従軍慰安婦に志願して慰問団として南洋の島へ渡ることを意味している。 これこそが、この時代限定の、遊郭の街から出る第4の道なのだ。 いま、従軍慰安婦はすべて ”かの国”から強制徴用された少女だけで賄われていたと誤解している人もいるかもしれないが、実際はその多くは食うために自ら志願した日本人女性なのだ。 

 そしてもう一つ誤解されている点、従軍慰安婦は我が国にとって決して秘密でも何でもないのだ。 今の倫理基準からすると信じがたいかもしれないが、それはれっきとした、正当な対価を受け取られる職業だったのだ。 昭和40年代から50年代にかけて、岡八郎や原哲男などが活躍していた吉本新喜劇の全盛期、劇の舞台としてダムの建設現場、場末の飯場に交じって、南洋の最前線の島を舞台とした”戦場シリーズ”というのがあった。 そこでは片岡あや子扮する慰問に来た従軍慰安婦と木村進などが演じる新兵との道ならぬ恋が描かれていたものだ。 それだけ、日本人の間には従軍慰安婦というものが身近にあったのだ。

 かの国の”元従軍慰安婦”たちが政治的な背景を持つ市民団体と結びついて、その声を大に表に出てきているのに対し(そのきっかけを作ったのが、その支援団体の幹部を身内に持つ元朝日新聞記者の”誤報”記事だということを忘れてはいけない)、我が国の元従軍慰安婦の女性たちはその自らの口を固く閉ざし、歴史の中に消えて行った。  

波のイルカ?

 テルのために雪の上に竹槍で南国の絵を描くすず。 すずさん、こういう大きな絵だと左手だけでも結構うまく描けてますよ。 南の海に、ヤシの木に、波のイルカ... ラッセンかい!

次第に大きくなるリンの影 

 今回、リンは一度も顔を見せてはいない。 だが、すずの心の中でリンの存在は、さらにさらに大きく重くなっていく。

 この年の2月4日から11日にかけ、クリミア半島でチャーチル、ルーズベルト、そしてスターリンが会談を持った。 ヤルタ会談である。 これにより、ソ連の対日参戦が決まる。